煙雨
faik

心の溝にくゆるけむ
二分ノ一の修羅妄執

言葉のほとりに滴るそれは
烏合の如き矢を降らす


空は鈍色にして晴天
惚れた晴れたの夢枕

潤む空気はコンクリヰトの
性感帯を刺激する


汝、裁きを問うべきか
怨み晴らさでおくべきか

いかれ三味線ホロリと鳴けば
海も二つに割れるだろう


汝、生きつつ逝くべきか
逝かず地獄に生くべきか


崩れ家屋のトタンを剥げば
小さな幸せ見えようか
或いはそれを奪おうか


嗚呼、なんと穏やかな
なんと虚しく静かなよる

身を突くような冷たさよりも
心の雨が、我をつき刺す
心の膿が、孤独を煽る



嗚呼、今夜はなんて静かだ……
静かでありつつお賑わしい

例え空が晴れて居ようが
今宵は静かで、嗚呼やかましい


自由詩 煙雨 Copyright faik 2011-11-14 23:09:04
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