Sendai Huyu
長押 新

眠る隣人、
或は起きている隣人、
大体は同じように生きて、
人間を取り巻いた朝が、
いよいよ始まる
もっとも盲目的な自由へ
順番に抜けていく魂、
もの言うことなく開かれた
濃厚とさえ呼べる自由、
窓/窓/窓/
東北では寒さで、
それが閉め切られていた
あの女たちは、
テストステロンが多いのか、
髭を生やして成功している
仙台駅で鳩に餌をやる、
ホームレスも髭を生やしている
感情の残骸が、
下半身から垂れ流されている、
見知らぬ人に、
助けてください
と言われたこともないまま
また口にすることもないまま
ああそうやって老いる
若い人が町を捨てては、
末必の故意か、
冬が突然現れる
その窓が閉められる、
夜明けに似ずに、
永遠が恐ろしいのは、
未来に言及しているからだ
窓/窓/窓/
手で開かねばならない、
電車の中では、
自由が銘々に、
永遠を殺している
或は永遠が、
自由を殺している
冬だ、
そして私の順番に抜けていく魂
閉められた窓の中にも、
皮膚の裏側にも似た
ぬるぬるする仙台のやさしさ
身体的な存在としての、
仙台のやさしさ
女の骨が電車の中で
揺れている


自由詩 Sendai Huyu Copyright 長押 新 2011-11-12 18:20:51
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