星図としての家系図
宮岡絵美

場が照りつける炎天下

文学は言語の恐ろしく立体的なホモトピーだよとぼやいていた
あの方達はお元気か

あついあついこんなに暑くてはかき氷も冷めてしまうよ
しかし衝突が起こりますなあ

シリウスαCMaは光り
辺りは緑一面の小麦畑で穂が出るにはまだ早く
かあさん 特異点を探しに行こうよ
とうさん プリンキピアの墓は何処にあったの

時間の始まりよ汝は美しい、そして…と母πは思い
ありのままの宇宙の姿よ私達に思想を、と父ζ(ゼータ)は叫んだ

音楽を聞いたケプラーに愚痴をこぼす
全てが帰納法で収まればどんなにものごとは簡単か
わたしの今聞いているのは何ともはや「わやくちゃ」めちゃくちゃなのだ
法則が五線譜で気流がメロディなのか

ラプラスよあなたのように神を解放しよう
宇宙の特異点はとても綺麗に違いないと笑って
時間軸や重力はさあいるのかいらないのか

重力には連なっていないように見える鳥達に憧れた
そしてそれから逃れることは為らなかった恒星に
私達はダーウィンとも上手くやっていける筈だ
差別という敵と戦うなら

目に見えぬ力関係に頼るくらいなら
永遠に平等な定理に頼ろうか
Z(ツェット)として今生きているこの機会の偶然に

しかし詞や文章が生きているのを見て

涙を流す僕らφ(ファイ)という限定条件
N体に置いていったい問題は同じなのか

たしかに推測してみる余地は有りそうではあるのだが


http://www.eonet.ne.jp/~tobeistodo/seizukakeizupoem.html


自由詩 星図としての家系図 Copyright 宮岡絵美 2011-11-12 14:04:17
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