光の窓辺


良く晴れた秋の日の朝
力強い日差しが
窓辺へと降り注ぐ
働く人々は
そんなことは気にせず
うつむいてペンを
走らせているが
その表情のない顔には
窓辺からの光が
輝いている
身にまとう衣服も
色彩を解き放ち
あらゆるものたちが
世界を流動し始めている
そんな朝
傍観している者からは
はっきりと
それらが見て取れる瞬間がある
外部世界と内部世界とが
人々の中で対流を起こしていて
見えない力がせめぎあい
それぞれの枠の中でそれぞれに
苦悩や葛藤を引き起こし
それでいて些細なことで
歓喜したり
安らいだりしてしまうのだろう
空を見ていたらそんなことを
感じたりすることもある
そんな秋の朝の窓辺
仕事の集中線のなかで
時々 ふと顔をあげてみる
眩しい秋の日の
光をうけて



 




自由詩 光の窓辺 Copyright  2011-11-09 23:08:58
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