2011年11月10日
相差 遠波

雲は湧く
風は空から降りてくる
耳を澄まして空気の走る音を拾う

旭を背に洗濯物を干したのは半時間前
それから地下鉄に乗り降りて地上に出れば
既に日の光は隠れ
世界は一変している

ああ 空よ
全ての現象よ
一時として動きを止めるものはなく
子は長い
若人は老い
老人は追い逝く

雲は湧く
馳せる
そして去り行く

再び日の光が射す空も
一時として動きを留めるものはなく

徒に歳を取りながら
代わり映えのない日々を
やがて懐かしく思う時代が来るのだと
地を潜った後に
世界が一変するように
全てが変わってしまう予感に震えながら
耳を澄まして
時代の走る音を拾う


自由詩 2011年11月10日 Copyright 相差 遠波 2011-11-07 14:57:12
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