秋は雲のようにやさしい
とろり




あおぞらにふれることのなかった雲に
おやすみと声をかける
届いているように見えたのは
錯覚だから
あなたは泣かなくてもいいんだよ


秋は
なにかがたりない
地上の彼処に
おきざりにされた感情が
とおい、とおいと叫ぶから
雲の気分で
みんなが 笑っていた
場所を
やさしく
ころしてあげた


秋は
わたしだけをのこしてね
急速に干あがるの
雲のようにやさしい


逢えないからせつないのに
せつないのが嬉しい
あなたをそのたびに感じて
しあわせよ
そのうちにまた雲が泣きだすから
わたしはわたしの
窓を閉ざすの









自由詩 秋は雲のようにやさしい Copyright とろり 2011-11-06 01:45:44
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