交わすひと
恋月 ぴの
夢とか希望って軽々しく口にしてはいけないよね
これでも恋わずらいなんだろうか
鬱陶しさに心は暗く沈んでしまっているけど
なんだか身体は心模様とはうらはらに
不思議と元気みなぎっている
あの坂の上までなんて嫌だな
軽やかな足取りはわたしの意志など知らん顔
病は気からだったよね
大きくカーブするその先は平坦なはずだったのに
まだまだ先は長いとだらだら坂は尾根伝い
知らぬが仏
なんか違う気もするけど
昨日までのわたしを引き摺ることなく
今日は今日
明日は明日の夢とか希望がある
晴れあがった秋空はそっけなさが持ち前で
そんな優しさに何故かほっとするわたし自身に気付く
※
神さまとか永遠って軽々しく口にしてはいけないよね
それって、それぞれの心うちにあるものだし
誰かに押し付けようとしたって
心の扉は固く閉ざされてしまうだけ
ノックは無用
ひとの心うちにはお地蔵さまというか
ご先祖さまの眼差しにいだかれているのだから
やっぱ大切にしないとね
ご都合主義でもかまないから
気が向いたときにでも感謝したりして
※
落ち葉みたく降りつもった言の葉
かさこそ何やら囁いて
どこかに置き忘れたはずのまごころは
胸元のポケットにこっそり隠れてた
あれれ、こんなにも恥ずかしがり屋さんだったのかな
秋って素敵なんだから
ないしょはないしょ
誰かに話しちゃ、叶うものまで叶わない