きんもくせい
ささやま ひろ

小さい頃ママに
この匂いは何って聞いて
キンモクセイを知った

それは秋で
僕の生まれた季節で
嬉しいなって思った

ママなんて呼び方
ありえないって思う時には
もうママは天に召されてた


金木犀の香りは
あっという間になくなって
いつも切ないって感じるけど

その切なさは
秋に似合っていて
なぜかとても愛しい


大人になって
キンモクセイの香りがして
振り返ったら

いつか図鑑で見た
金木犀の木があって
初めて見たって思った

切なさを一瞬感じたけど
君の手を少し強くにぎったら
風と一緒に消えていった






自由詩 きんもくせい Copyright ささやま ひろ 2011-10-23 21:28:36
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