井の中の蛙
みふみ

井戸の中で暮らしていれば

それなりに幸せだった


時代が私を押し出した

広く険しい世界へと


飛び出した蛙は

戸惑いもがいて

井戸を恋しがる


けれど蛙は知っている

井戸の中には

僅かな幸せしかないと


もう帰れない

広い世界で

大きな幸福を探そう


傷つきもがきながら

井戸が恋しいと泣きながら



自由詩 井の中の蛙 Copyright みふみ 2011-10-19 11:12:31
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