ダイヤモンド・ダーストを見る前に
天野茂典

  


   機械が動きだしている
   工場ではもうみんな起きだして
   働きだしている
   生産ラインは整然としていて
   不純物はまぎれこまない
   工場は一部ロボット化し
   効率を上げている
   みんなの仕事振りは感心するほど
   集中している みんなおなじ作業服を着て
   とても清潔な感じがする
   ぼくにも何か仕事をください
   生産ラインの一員としてぼくもしごとを
   したくなった この工場にはサボルという
   観念がない みんな働くことが大好きなのだ
   

   社長はゴルフに行っている
   だが誰も文句は言わない
   働いた分だけ必ず給料が
   銀行に振り込まれるからだ
   中小企業だが労使の関係は
   とてもいい

   この工場は詩の缶詰を作っているのだ   
   ここにはいつも新鮮な野菜が置かれている


   缶をを開けるととてもよい匂いがする
   企業秘密でそれをどうやって作るかは

   
   おしえられない
   ぼくも工場へ就職願いにいってくる





       2004・11・22



   


未詩・独白 ダイヤモンド・ダーストを見る前に Copyright 天野茂典 2004-11-22 05:54:20
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