思い出すひとの話
寿

星が廻るみたいに

どんどん変わっていく

空から見たら小さい


そうだね、なんて小さい

生まれ生まれ生まれて明るく
死に死に死んで死んだら暗い


繰り返されない
繰り返しても戻れない

だからだから

大切にしようね


「永遠不変」が意味したもの

変わることとなく変わり続ける事象としての世界のこと

偶然でもなく必然でもなく

そうであった、ということでしか
語ることができなかった

ひとはとても弱いものだね


辞書はずいぶん前に食べられてしまった

空のうえには宇宙があると教えてくれた
星のこどもに


あなたにも、
あなたにも、

幸せを


そう胸を張って笑いかける


それは愛ですか?


そう聞かれたら
実は少し困ってしまう

いいえ違いますよと言いたくなるのは

もしそうだとしたら


だってそう、

きっと悲しむ人がいるだろうから



戻ってこない旅人のために
祈りましょう心をこめて

シオマネキが手を振ってるけど

ほんとうはほんとうは

さようならを言ってるのかも


もしも呼ぶ声があるのなら

この国のたくさんの人たちといっしょに

あたたかいスープの家をつくりたい


そこに座るあなた


とりとめのないこの話だけど

聞いてくれてありがとね


ことばが出てこないのに

涙はぽろぽろでるね


あなたが生きているから

ほんとうにうれしいです





自由詩 思い出すひとの話 Copyright 寿 2011-10-16 22:09:31
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