私的な音楽牧場
さすらいのまーつん

 山ほどCDを買って 本当に気に入ったのは多分、全体の1、2割だろう。
 今聞いているのは 老ピアニストが奏でる イマフウのジャズなのだが

 Black and White というタイトルの曲で 最初 ラジオで耳にしたときに、それをいつも手元に置いておきたいと 思ったのだ。
 まるで市場で牛を買ってきて 自分の牧場の柵の中に 放すような気分に 似ているかもしれない。

 その草生い茂る牧場は 僕の頭の中にあり それを囲む柵の入り口は この頭の両側に 水差しの取っ手のように着いている 二つの耳 という訳。

 だが一方で 昔若い頃に 背伸びして買ったはいいものの その後ホコリをかぶっていたCDを 今聴き返してみて はじめてそのよさに気付いた、というような こともある。

 まるで昔は鼻にも引っ掛けなかった女の子に 十数年ぶりに再開して 彼女こそが探していた相手だと気付くのに 似ているのかどうかは知らない。


 Closby Stills Nash & Young
波に洗われ 消えかけていたつづりを 改めて深く 脳裏に刻みなおした。

 Joe Sample
老練なピアニスト、これからよろしく。


散文(批評随筆小説等) 私的な音楽牧場 Copyright さすらいのまーつん 2011-10-16 12:23:11
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