エコーズ
るるりら

A
枯れ葉が 裏も表も見せながら落ちて
そのうち葉脈だけになり 
葉脈の下では 貴族のようなおももちで
うずくまっている それは わたし

B 
独りきりの夜 ちいさく もりのくまさんを 歌う
フレーズごとに 耳のところに手をおいて
アルヒ 南極は北極に恋ヲスル ハナサク コイノウタ
月の輪熊さんなら おひげのはえかたは あのひとと 同じ

C
ゆうやみが せまるのと あさが くるのは 同じ スピードで
愛する人を待ちながら 
感じる
獏の体は熊、鼻は象、目は犀、尾は牛、脚は虎

A"
空を見上げると 
木の葉をつたって落ちた木漏れ日は全部丸い
光を踏んで歩くその靴音 あなた

B"
しかたがないから 森のくまさんをうたう
歌えと言わんばかりに 耳をよせてくるヤツに
ヒゲをなすりつける

C”
女は辰年の生まれ
龍の角は鹿、頭は駱駝、眼は兎、身体は蛇、
背中の鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、耳は牛



A→ B→ C→A を 線で結ぶ
A"→ B"→ C"→A" を 線で結ぶ
ふたつの図形を かさねて 六芒星
ふたりでひとつの羅針盤にする


 


自由詩 エコーズ Copyright るるりら 2011-10-15 08:32:07
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