赤ん坊の爪の様な
wako

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西日がやっと落ちた頃
東の空に淡い月
生まれたての赤ん坊の爪の様な
たよりない月が
ひっそりと昇る

まだ昼が支配する夜の入口
騒音と日常に紛れて
見上げる人も
見上げない人も

視線を集めて
月は存在を主張し始める
くっきりと輪郭を際だたせて
冷たい光をふりまいて

ゆっくりと位置を移しながら
月は怪しさをたたえていく
人の心にさざ波をたてながら

夜が更けていく
月の光を浴びて
キラキラと輝きながら
無数の想いが舞う夜が

あなたはもう眠っただろうか


自由詩 赤ん坊の爪の様な Copyright wako 2011-10-13 14:12:50
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