呪いとしての憲法
A-29

「23億人世界」の人口圧は世界戦争を引起すとともに、核兵器による戦争抑止を生み出した。その抑止力の下、世界は「23億人世界」からその3倍の「69億人世界」へと膨張を遂げた。では今後、その4倍の「92億人世界」への拡大が核抑止力理論の下で可能だろうか。

「69億人世界」は911の勃発とともに終焉を迎えたと見るべきだろう。「69億人世界」から「92億人世界」への移行はそれまでとは大きく隔たっている。世界にはもう文字通りその「余地」がない。

識者らは2050年頃に「92億人世界」の完成を予測しているが、たんなる外挿的推測に過ぎない。「ポスト69億人世界」とはまさに「新世界」であって、予測不能な超極限世界であるはずだ。

未だに数世紀前の旧態依然とした国家観を持ち出しては「日本は国家の体をなしていない。改憲し軍隊と核を保有する普通の国家になるべきである。」と言うような主張が聞かれる。「最終戦争」を戦い、核攻撃を受けて敗戦した国家が、「国家」として復権するなどということがあり得るはずがない。

われわれは生ける亡霊なのだ。九条とは亡霊の再生を封じた呪文なのだ。

未来永劫、解けはしない。


散文(批評随筆小説等) 呪いとしての憲法 Copyright A-29 2011-10-12 01:37:00
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