思い星(おもいぼし)
凪 ちひろ

どこまでも自転車を走らせて 海岸線で一呼吸
折り返して家に着いたら 何も考えずに眠りたい


あの子はあいつが好きね
そしてあいつは あっちの子が好きね


満たされない気持ちが 宵闇に飛び交う


why? why?why?


「出会った頃に戻りたい」なんて
お定まりの文句口ずさんでみた所で かえって悲しくなる
せめて今夜は 心地良い眠りを


ここは片思い三番地
小さなポストマンが口笛ふきながら
届かない思いを空に投げるの

ひとり蚊帳の外のわたしは
その星のまたたきを見つけ
ようやく一夜(ひとよ)の眠りにつけるの


自由詩 思い星(おもいぼし) Copyright 凪 ちひろ 2011-10-11 23:52:53
notebook Home 戻る  過去 未来