かみなりのおとをききながら
かいぶつ


魚影のない河川
子どもの工場見学
秋空にぎんぶち眼鏡のつがい
おとなの暗い話題
 
人のかたちを真似るビルと
ビルのかたちを真似る人
沈む色紙の太陽
三角座りのキリンの影が
マンションの壁にもたれて
屈折している
  
祖母の仏壇からジャンプした
猫のミーコの長い尻尾は
毎日香とおんなじ姿勢でピンと伸びたり
香りのように揺らいだり
 
夜毎、補導される
迷子の光が
身元引受人の手にひかれて行くころ
僕らは眠りに就き
時間の海を泳ぐ深海魚の標本となって
水玉模様のためいきを
くるぶしに咲かせるだろう




自由詩 かみなりのおとをききながら Copyright かいぶつ 2011-10-10 02:22:25
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