詩を書く人
月山一天


詩を書くと言う事は、孤独な作業である。

詩人は心と世界の狭間でさまよう亡霊である。

詩は書こうとして書く物ではない。
震える魂が、
時には火のように、氷のように
白い紙を彩るだけである。

物を書くと言う事は、
一枚の紙切れを成長させるという作業である。

育たなかった紙は、火にかけて燃やす。
育った紙は鉄より硬く、侍の刀より鋭い。

詩人は魂の
支持者,擁護者,運動家,唱道者,主張者である。

詩人の言葉は幾度も世界を目覚めさせ、
消失された火をも灯す。

この世で一番必要な言葉を記す者、
それが詩人である。


自由詩 詩を書く人 Copyright 月山一天 2004-11-21 07:33:43
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