詩を書く人
月山一天
詩を書くと言う事は、孤独な作業である。
詩人は心と世界の狭間でさまよう亡霊である。
詩は書こうとして書く物ではない。
震える魂が、
時には火のように、氷のように
白い紙を彩るだけである。
物を書くと言う事は、
一枚の紙切れを成長させるという作業である。
育たなかった紙は、火にかけて燃やす。
育った紙は鉄より硬く、侍の刀より鋭い。
詩人は魂の
支持者,擁護者,運動家,唱道者,主張者である。
詩人の言葉は幾度も世界を目覚めさせ、
消失された火をも灯す。
この世で一番必要な言葉を記す者、
それが詩人である。