金色の死者再生
狩心

体を鍛え
音の中で踊る
地面を叩くその
腐乱ジェット
何もない地点にて伸縮回転スライドし
鏡の中の現象をすべて倒す
地面はどんどん斜めに傾斜していく
そして快晴は背中に張り付く
駐車場には車が一台も無い
そして入れ替わり立ち代る人々のボディを
軽やかなステップでサーフィンする世界
モノクロとカラーの世界を
入れ替わり立ち代り愛バイブレーションする
ときめく波紋の接近
衝撃波
水面に
若者たちの太平、戦いがある
許されない事ばかりの社会で
許され過ぎるほどの宇宙が弾ける
その苦痛と快感の二枚描写
その羽に
ささやかな夕暮れの温暖/音弾
咲き乱れている
ささやかな激しさの
お前たちはそれでいいんだよ
でも進まなきゃいけないんだよ
スライドと回転と伸縮と反射機体
その危惧に、
電線を張り巡らせろ、
手と足が体から離れていることを確認しろ、
十二人一重の目の合体を
義兄弟の阿修羅の火族の中で行え、
俺達は三点描写でピラミッドを形成し、
喜怒哀楽を音速で入れ替えて残照、
残像の中に引き連れるべき水面の震えを抱き、懐き、
信じるべきはこの空間の潜心/潜恐
高い建物に囲まれても気にしない
我らが回転の中において
すべては消滅し、生まれ変わる
躊躇無く、恐怖に触れることだ、
震える魂と拳の骨があれば、
その中で込み上げてくる笑みがある、

男も女も関係ない、
無生物も生物も同一直線上、
おしゃれでもダサくても関係ない、
死んでいようが生きていようが関係ない、
黙って整列し踊れ、
そこからスライド、回転、伸縮し、反射する座標の光の遠心
母なる地球の許されざる赤い点滅の墓標の、周囲に
数多の衛星を生み出し改竄、転倒の許されるべき空間の快晴、
その青の連打、金色の死者の再生、洗われていく肉体、
そのシャワー
それがまさに君だ、

同胞はすでに踊っている、
君はまだ踊っていないのか?

踊った先に何かあるのかだって?
何も無いよ
しかし在るのだ

君はまだ人を信じることができるか
絶望の中での絶望、
繰り返される悪夢の中での喚起、
もう嫌だと飽きるほど唱えたね、
でもいつの間にか
再生できないほどの爆心地を取り囲む荒野に
冬を仲間にし、恐怖をしもべにした
木々の枝の広がり、空の果実をつかみ、
もぎ取るほどの拳の骨の音、
関節が痺れ唸る構造体形成、

自らを動かすのは自分ではない、
絶え間ない空間がある限り、
化膿が我らを尽きさせ、動かす、
もっと不可能な不可思議の疫病魔、
礼善と笑顔の祝祭、
太陽が当たっている、日向の
微生物の増殖による構造物の解体、
可能だ、部屋が無いこの戦の握手の
擦れ違う待機の交換
音弾の振動が隙間無く溢れ
エンジンの中に笑みが掛け算されていく
弱々しくもたくましい汗でびっしょりなんだ

水円・・・

そして長い夢を見ていた
太陽の黒点に着地する
烏の鳴き声が聞こえる

日が暮れて、
帰っていくあの子らの後ろ姿が
今では勇敢に見える。

可能だ

             − 音信不通の爆心地から、モールス信号による伝心、そのスケッチ −


自由詩 金色の死者再生 Copyright 狩心 2011-10-01 13:13:37
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