星霜の輪廻。
雅寛

星が涙を零す夜。
僕等は知ってしまう、全ての後悔と絶望。
そして、全てを手放してしまう。
思い出を、トランクに詰めて。

星が楕円を描く夜。
僕等はまた過ちを繰り返す、全ての後悔と絶望。
そして、無限の苦悩が終わる。
写真が、無数の星屑になる。

星が消えてしまう夜。
僕等は悪戯を仕掛けた。全ての神と平等に。
そして、時が瞬き合図をするのさ。
微笑い合えた、過去の為に。

君の涙が乾く“未来”。
僕は完璧な“過去”を望んでいただけ。
流れ星が終焉に辿り着いた日、感じるのさ、
「過去が未来に変わる瞬間を。」

星が消えてしまう夜。
僕等は知ってしまう、永遠の続きを。
そして、全ては輪廻して行く。
夢よりも、儚く甘く散ってしまおう。

星が微笑みかける夜。
僕等は振り向かない笑顔に問い掛けて見る。
そして、幾つもの否定された過去が未来に成り、
幾千億のナイフが切り裂く、たった一切れの永遠を選ぶ。

……愛し合う終わりを……。

新しい世紀末の夜、未来は過去を望んでいる。
追い着けない過去が、未来を見放しただけさ。
星霜は輪廻する。僕等の一瞬の歴史さえ、永遠に。
そう、たった一輪の、辺境に咲く花の幻だとしても……。


自由詩 星霜の輪廻。 Copyright 雅寛 2011-09-26 20:02:46
notebook Home 戻る  過去 未来