トキサン
ハリマ



車椅子に乗っていた

おじいさんは『トキサン』
とゆうらしい。



腕と鼻に管をつけていた。



看護婦さんが車椅子を押すと

何度もすいませんとゆうのだった。





私は不意に思った。



あのろくでなしもいつか

こんな風に弱くなって

人様に迷惑をかけていると自負し

すいませんなどと口にするのか。




子のものやかねを奪い

父親とゆう素晴らしい肩書き。



まともな人生を送れまい

それでいい。人の不幸は

願うもの。


自由詩 トキサン Copyright ハリマ 2011-09-22 11:53:39
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