「そのまなざしで」
ベンジャミン

そんなにもきみはまっすぐにぼくをみて
うんうんとうなずきながら

まるでひとかけらのまよいもないふうに
ぼくのはなしをきいてくれる

ぼくはいままでにたくさんのことをみてきたけれど
そのなかにはきみがみないですむようにいのりたい
そんなことさえあるのだけれど

いつからかぼくのまなざしは
みずうみのかがみにはんしゃする
ひかりのくっせつのようになってしまって

そういうのをおとなになることだと
だれかがいってもぼくはちがうとしんじてる

だからぼくはきっとねがわずにはいられない

きみのそんなにもまっすぐなまなざしが
どうかぼくにまぶしくなってしまいませんように

そしてそのそんなにもまっすぐなまなざしが
すこしでもとおいみらいをみつめられますようにと

 


自由詩 「そのまなざしで」 Copyright ベンジャミン 2011-09-18 02:27:06
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