今日もいつも通り
という自覚もなく

今日もいつも通り
という毎日が過ぎ

今日もいつも通り
私の隣には君がいる


だけど突然

底なし沼にハマるように
記憶に足をとられて
抜け出せなくなる

もがけばもがくほど
奥のほうへと
引き込まれてしまう

必死に手を伸ばして
こんなに頼りない今日を掴んでみても

まるで手ごたえは得られずに



匂いに
味に
言葉に
涙に

惑わされている

五感すべてが
記憶の中のあの人に
徐々に奪われていく



ただ
あの人が懐かしいのか

それとも
あの人が愛おしいのか



抜け出せなくなることを
拒んでいるのか

受け入れるのか



心の迷いは深いまま



だけど日常は捨てられない
弱い女のしたたかさ



今日もいつも通り
私は君の胸に眠る



罪悪感と迷いを秘めて