美しい親父
梅昆布茶
この言葉自体すでに存在論的自己矛盾を孕んで
われわれの人生観を覆しかねない深遠な哲学的命題ではあるのだが
美しい国のパクリだと思わないでほしい
親父に品格などいらないしもともと無いし…
親父という蔑称そのものが
すでに実存の領域に踏み込んだすぐれた生き物なのだ
まぁおばさんも同じことだが…
僕の理想の親父はちょっとエッチだ
まったく無駄だと知りながらも果敢にアタックをする勇気をもっているが
無害だ
ジローラモのようなちょいワルでもないし
小沢一郎のような権力嗜好のバカ者でもない
どちらかというと小沢昭一に近い生物体
ときどき女の前で泣いてみせて
歓心を買おうとする
かわいいやつでもあるがたまに成功する
かわいいやつでもあるがたまに成功する
しかし後がない
金もないが欲もたいしてないし
だいたい出世しない
ただののろまなのにマイペースだと言い張るしぶとさをもっている
ファッションという言葉さえ知らない
自分が惰性でいきていることに
気付かない
そしてときどきチビる
こんな高級な美学をもった生き物が僕の理想だが
もうすでにそうなっている
気もするのだ