吉原 麻

かつぅんと冷えたロックグラスを傾けると
薄緑色のとろりとした液体が
喉を
焼きます

下る感触

そのうち
そのうちと思っているうちに
また
また今夜も

甘さとほのかな痛みの虜となって
男とともにいるのです


痛み それは
色名はあるけれど 色見本のない世界
という台詞を思い出し
確かに痛みの感覚は人に伝えにくいものだと 痣を見て思う


片方の足をいつも引きずって歩く男はいつまでたっても
そうして 憧れのままなのです

そうわかっているうちは
そのうちは 悔しいのだけれど

今夜もまた
行ってもいいですか


自由詩Copyright 吉原 麻 2004-11-17 23:07:57
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