創書日和「淋」 ありがとう、生きてるよ
逢坂桜


いちばんつらい、いちばんいたい
きみがいたのは、そういう場所

わたしたちにできるのは
もはや最期のひとつだけ

そしてきみは、だいすきなご主人に抱かれて、永遠の眠りについた

お骨になって、帰ってきたね
もうどこにも行かなくていい
家族みんな、ずっと一緒だよ

朝起きると、きみの姿を探した
ぱたぱた歩くと、きみがいるかも、と足を上げた
子供の寝息に、きみの寝息が重なった

忘れないよ、覚えてるよ
ありがとう、何度も思う

きみがいなくて、さみしいけれど、生きてるよ
生きてるよ


自由詩 創書日和「淋」 ありがとう、生きてるよ Copyright 逢坂桜 2011-08-18 00:06:28
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