夏の終わり色
影法師


ビルが並ぶ世界に
酔ってしまった僕は
向日葵に魅せられ現実の世界に戻ってきた

首を垂れて
太陽を見ようとしない向日葵はどこか僕に似ていたんだ

そう
現実から逃げ続けている僕に

逃げ場所を失った僕に


何かが
終わりを告げた気がした

耳を壊すほどの飛行機の音

ジリジリと世界を焼く太陽

今を生きる蝉

僕を待っている君

君を待っている僕

朱に染まった空


季節が変わる音がキコエル

星が廻る音がキコエル


そんな気がしただけ


自由詩 夏の終わり色 Copyright 影法師 2011-08-15 23:43:05
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