序説∧序奏
nao

「序説∧序奏」
 

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 愛らしい風を
  振り撒いて
  感傷を仄めかせ
   君に入っていく
    恐るべき
   金木犀が香る
   十月の夕暮れは
   何もかもが
  激しい光彩で
  朝焼け紛れの
 茜色に侵され 
 誰かヒトリの
  奏でる指先が
   時の気配に
  我慢仕切れず
   三脚写真機の
   シャッターを斬ると
   ストロボは全てを
  秘密事のように
 美しさを内に抱き
 悲鳴と耳鳴りに似た
  何処までも尾を引く
   身勝手な挨拶が
    真空を伝わり
    核心に届けられ
   記憶を操られた
   世界は冷えて
  やがて甘味を増し
 明暗を宙に泳がし
 漂うソレらは
  音も無く色も無く
   戸惑うような姿で
  神秘の滝壺に流れ落ち
    未知の現実と繋がる
   ステージと成らんとし
    その幕の裏からは
    滑らかに力強く
  永遠とも思われる
 リズムが語り始めた
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自由詩 序説∧序奏 Copyright nao 2011-08-13 04:33:20
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