夜明けの深呼吸
たもつ

 
 
誰もいない夜明けの街を
少年が黙って自転車をこぐ
真面目に呼吸を続けながら

サルは今も進化と退化の中を
死にそうになりながら
生きているころだろう

エロい身体をした僕は、夕べ
たくさんの貧乏くじを作った
自分のささやかな不幸を
引き当てて楽しむために

窓を開ける
どこまでも美しく
市町村が広がっている
 
 


自由詩 夜明けの深呼吸 Copyright たもつ 2011-08-12 18:15:46
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