初秋の頃に
花キリン

昨日A君と久し振りに会った
少し立ち話をして電車どおりの角で別れた
そう言えばB君から残暑見舞いがきていた
彼岸花の絵模様だけだったが

A君とB君とも
長い間行き来が途絶えていたから
何を話しどんな返事を書いたのか
すっかり忘れてしまった

初秋の頃になると
とんでもないハプニングが飛び出してくるから
現実的でないものが
現実のように見えたりする

ここから少し先には
悲しい出来事が一杯あって
あの世とこの世とを行ったり来たりして
ときどき驚かせたりしている

A君には
会ってはいけない場所で会ってしまったのかも知れない
B君には
出してはいけない返事を出してしまったのかも知れない

供養の時期が熟する頃になると
日の暮れが一層深まり
幾つかの反省が
深く心の奥底に沈みこんでいくのだ


自由詩 初秋の頃に Copyright 花キリン 2011-08-12 08:27:51
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