夏と海と雪駄
真山義一郎
夏
あぢ
なんか、快晴ではない
曇っていて
空気がじめっていて
あぢ
あぢい
君と別れるとさ
俺はもう
切なくて
切なくて
なんか、夏祭りらしいんだけども
俺、見学も参加もしない
ただ、
波止場の
海の
ぎりっぎりのところに腰かけて
海
じゃなくて
自分の履いてる
雪駄眺めてる
ああ
男はいつも
女の子に教えられてばっか
俺の駄目さ加減が
君のせいで
浮き彫りになっちまう
おっぱい?
おしり?
ああ、そりゃいいよ
いいもんだよ
白くてさ
すべすべしててさ
だけど
だからこそ
やりきれないんだよね
海が
岸壁にゆるく
ちゃぽん
ちゃぽん