The Ghosts You Draw on My Back
本木はじめ
煙草を吸い過ぎた世界にいる
飽食された宝石のような季節が
無残に横たわっている黒い冬がやってくる
食べ尽くした靴
置き忘れた布石
褐色の静寂が湖の波紋を鎮めるように
衰えたくちびるが乾いてゆく
火もまた消える
熱もまた冷める
あなたが描くのはいつもぼくの背景ばかりだった
いくつもの未遂を抱き合わせたような影が
白い霞のように
消えかかっている
もうすこし
あとすこし
もうすこし
あとすこし
留まっていれば
よかったのかもしれないが