ズー



海に帰る男の子がふえている。海に帰る途中で冬になった東京に寄り、からだを売り飛ばす男の子がふえている。海猫がコロニーをつくるビルを、非常口を確認するように稼いだ金を数えながら、のぼる。うにゃんと鳴きながら旋回を繰り返す海猫のこどもが眠る。塩分の含まれている、からっ風に乗り、海猫は屋上にコロニーをつくる。36階で毎分、お茶くみを頼まれている、くみちゃんがうにゃんと泣いている。旋回を繰り返す、海猫はこどもが眠れるようにコロニーをつくる。海に帰る途中の男の子がビルをのぼる。係長にお茶を頼まれた、くみちゃんがうにゃんと泣いている。海に帰る男の子がふえて、からだを売り飛ばす、海猫がふえている。こどもが眠りながら、からっ風に乗り、屋上に旋回を繰り返している。冬になった東京に寄り、裸になった男の子がコロニーをつくる。稼いだ金を数えながら、コロニーで眠る男の子がふえている。売り飛ばした、からだを買い戻すために非常口を確認している、海猫がふえる。冬になった東京の36階で、くみちゃんがお茶をいれている。うにゃんと鳴く海猫のこどもは係長になる夢を見ている。コロニーのある屋上までのぼる。くみちゃんに、商品を届けるために、のぼっている。旋回を繰り返す、からっ風に乗り、男の子は海に帰っていく。
海に帰る男の子の背中で、くみちゃんが、うにゃんと。


自由詩Copyright ズー 2011-08-02 14:55:33
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