2011.7.23
榊 慧
カルトンの上に画用紙を引いて、続きの仕上がらないデッサンをしながら、前半、身体が、というより頭と手が動かせなく、ますます遅れていくのを実感しつつ、そして後半エスタロンモカでなんとか動けるようになってからも、自分への失望、ようは「生きていたくない」。
はじめは右手の甲に爪を立てていた。今も赤く残っている。爪を立ててえぐっていた。出血はしなかった。
こそりとステッドラーを削る用のナイフ(肥後ナイフ)をまた右手の甲に立ててみた。そして何回か引いてみた。出血したのでティッシュで拭いた。今、帰宅しすぐにシャワーを浴び風呂掃除をした俺の右手は「猫にひっかかれました」みたくなっている。
たいていの外出時、いつも持ち歩いているエスタロンモカも入れている袋(ポーチともいう。頭痛薬やら液体ムヒ、残り二シート半の胃腸薬、なんでか残ったマイスリーやらも入っている。)にはカミソリが三つ入っていたが、出さなかった。俺はここのところ自傷行為らしきものをしていない。多分。
出さなかったのはやっていることをばれない様にするためと、わざわざ出すのが面倒だったから。
しれっとしながらペットボトルを描きすすめていた。しれっとするためにはこれしかなかった。
午前中は病院へ遠出していてそのまま帰宅せずに美術教室へ行った。薬の量を増やされ三週間後の八月十三日に予約されたが八月五日に別の病院へ行くつもりなので多分もうあの病院へいくことは無いだろう。
今朝はアマガエルの腹のように真っ白な顔をしたリカちゃん人形の大群に襲われる幻覚を見た。
一昨日辺り、「刹那」の話題が出て、難しいことを話しておられて、俺は正直に暴露すると三分の一も理解できなかったのだけど、思った。
たとえばキュウリの苗が夏、この時期に茂っていて、そこからキュウリをぽきり、とる。これは間違いなく刹那です。
と。
眠剤のほかに、ビタミン剤も飲んでおこうと思う。俺は血色があまりよくないから。
ビタミン剤って高い。