りり

ここを
登りきれば


何年も
椅子に座って
ばかりで
運動なんて
これっぽっちも
してなかった

ふくらはぎが
太ももが
体全体が

思い返せば
大したことなかった
今の悩みに
比べれば
可愛いものだ

ただ
あの頃は
必死に

いつから
だろう
それは正しいのか

問いただせなく
なったのは

ひたすらに
ただひたすらに
愚直に

忘れ物だとは
思わない
落とし物だとは
思わない
ただ
使わないだけだと

あの頃は
真っ直ぐしか
使えなかった


ここを
登りきれば


使えなくなった
ものも
多い
使わなくなった
ものも
多い


それでも


この坂の上で
初めて
感じる今が

あの頃以上に


愛しい


自由詩Copyright りり 2011-07-11 21:06:59
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