梅雨
蒲生万寿

曇天の空より明(さや)か薔薇の花

五月雨や雫一つも世界かな

梅雨寒や長袖一枚はおる朝

五月雨や踏み石黒く閑(しずか)なり

外は雨燕の雛は餌を待ち

稲またぐ鷺の白さや五月晴れ

どくだみの花咲く日陰明(さや)かなり

紫陽花の花ひとつずつ宿る雨

匂い立つ緑深まる雨上がり

雨上がり微かに香る百合の花

庭先の梔子(くちなし)香る夕間暮れ

雨足の弱まる朝や夏椿


俳句 梅雨 Copyright 蒲生万寿 2011-07-04 18:50:04
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