皿は　大理石
アスファルト色に咲いた
滑らかな　アイスクリーム

とろり　
掬い上げる　瞬間に
ぽたり
エキスが　流れ出して

勿体ない…
小さく　呟く

ソースは　どうしようか
難しい　英単語は　勘弁

記憶の無い程　遠い日に
丸ごと乗せられて　歩んだ
乳母車みたいな　車輪付き器具を
ゆっくりと　押している
あの　おばあちゃんにも
分かりやすい　ように

ソースは　どうしようか
甘い　アイスに　かけるんだったら
相場は　決まってる

誰が　最初に　決めたんだろう
納豆だって　偶然だと　言うじゃないか

決まりなんて　無いんだよ

じゃあ　こんなのは　どうだろう

とろ〜りアイスに　かけるんだから
おんなじような
とろ〜り　餡かけ風味が　いい

ナルト　アスパラ　シメジの
コンソメ炒め味
これなんか　丁度良いんじゃ　ないですか？

キシッ　キシッ
アスファルトの上で　
雪が　呟く

溶けながら
身を　削りながら
ゆっくりと　告げたアイディアは

今は　空に　呑まれて

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