はからい 
服部 剛

君の出棺に間に合わなかった僕が 
斎場に辿り着き、参列者がまばらに帰り出した頃 
最近遠ざかりかけていた2人の友が残っていて 
互いの潤んだ瞳を見たら 
互いの鎖が何故か、ほどけた 

死者は、すべてを知っている 
さりげなくも土産みやげを置いて 
無言のままに、去ってゆく 
煙は空へ、消えてゆく 






     


自由詩 はからい  Copyright 服部 剛 2011-07-01 00:37:24
notebook Home 戻る  過去 未来