食卓に飾る花
ズー


夜な夜な
あなたが台所から
空のボウルを持ってきて
食卓に置いた
私を人差し指でさして
「空だ」と言う為に

白のテーブルクロスに
私を寝かせて
殴り始める
夜な夜な
ボウルに溢れた
私をあなたは
「空だ」と言う為に

朝な朝な
調理されて
柄のないお皿に
乗せられた
私を並べて
あなたが箸で刺す
「こうあるべきだ」
と言う為に

こうあるべきの前は
「湯に浸かっていたい」
と言っていた
あなたの口はいくつもあって、だから、嘘つきには
ならないのです

あなたは
僅かなものを残して
食べ終えた
「わたしはこうあるべきだった」
と言う為に

少し残された私がいて
あなたがいて
朝な朝な
食卓に飾る花が
その為に揺れている


自由詩 食卓に飾る花 Copyright ズー 2011-06-27 15:30:02
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