桜色の小瓶に詰めて貴方に
高島津諦

透明で桜色した小さな瓶に針をいっぱい詰めて、あげます



小指だけ繋いでいたから小指だけもがれる程度でさよならできた



君に言う言葉を見つけるためだけに笑点メンバー召集しよう



ハイチュウを噛まずに舐める練習を積んできたのでキスしてください



ビー玉の指輪光った水溜まり 少し恨めど拾えもせずに



ビー玉の指輪囓れば冷えた舌 ホントのことなどない夏の夜



電話線通らぬ島に寝転んで電話のダイヤル回し続けろ



ユカタンとシャコタンが戦争状態に入ったみたいな君との喧嘩



あなたという人と上手に過ごすコツ 剣を飲み込む曲芸みたい



僕の言うことをすっかり聞いた後お腹空いたと笑ってくれよ



世界一美味しい物は食べたくない 君より好きな物はいらない



これから私、殻を破る真似しますから、優しい言葉をかけてください



昼寝する君を二学期まで守るため一匹一匹蝉を殺そう



粉末の思い出に着火! 爆炎があのホテルから見えたら笑える



納豆をご飯にかけず食べるよに私単品食べててほしい



誰一人近くに寄ってこないのです 実際安いと胸に書いても



壁越しに手を繋いでるふりをする降らない月の重力に耐え



メリーゴーラウンドに乗って近いとか遠のいたとか叫んでる君



裏切られた猫にも帰巣本能は宿って忘れることができない



ドーナツの穴を食べようとしているの? 私は笑わず見ているけれど



フリー素材みたいなデートプランでも君は最後にキスしてくれる


短歌 桜色の小瓶に詰めて貴方に Copyright 高島津諦 2011-06-19 17:48:56
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