彼女
只野亜峰

変な女だと思った
外見よりも少し嗄れた声が印象的だった

人懐っこい女だと思った
面白い女だと思った
危なっかしい女だと思った
か弱い女だと思った

自分勝手な女だと思った
人の話を聞かない女だと思った
他人に興味の無い女だと思った
自分の事でいっぱいなのだろうと思った

笑顔の愛らしい女だと思った
気性の激しい女だと思った
口の悪い女だと思った
良い女だと思った

一緒にいたら楽しいだろうなと思った
一緒にいても飽きないだろうなと思った

可愛い女だと思った
別に猫のきぐるみのファスナーから目を背けているわけではない
わがままな女だと思った
口の悪さと気性の荒さは相変わらずだった

縁側に二人並んでお茶を啜るようになっても
それだけは変わらないだろうなと思う


自由詩 彼女 Copyright 只野亜峰 2011-06-13 04:00:33
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