将軍
subaru★

金曜日の夜 明日を気にせず
ゆったりと酒をたしなめる
行灯の油をナメる猫のようにチビチビと

そうしているうちに
賑やかな御一行様が隣の円卓につく
偉そうにしてるのが多分 将軍だろう

似つかわしい髭も装備してて
三つボタンの背広がアンバランスで憎めない
戦国プチ・タイムスリップ

勝手に時の渦に巻き込まれ
将軍様の仕草が 俺のトロ箱に入ってくる
その箱から出して それをさかなに呑んでいる

将軍のお陰で 釣られてしまったようだ
御一行の帰り船を 俺は静かに円卓で見送る
残った温いビールを俺は飲み干そうとした

領収書の宛名はコレで!
はい 上様ですね!の声が上がると
俺は口からビールを吹いた


自由詩 将軍 Copyright subaru★ 2011-06-11 02:30:17
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箸休め