破壊前の街角で
砂木



たったったっ と少年が
往来を小走りに行く

戦争が はじまるかもしれない ので
外国人が 多い

声をかければ 靴を磨かせてくれる
稼ぎ時だ

記者だという男などは しきりと訊く
戦争が はじまるかもしれない 逃げないのか

生活するためには 稼がなければならないんです
今 けっこう お金になるんです
外国の人達 靴を磨かせてくれるんです
自分が働かなければ 暮らしていけない
イラクには 希望を持ってます

ありがとうございました お客さん

たったったっと 故郷に働く少年が走り去る
空爆の二日前だと 記事にはあった

記者が 泣いてる
 



自由詩 破壊前の街角で Copyright 砂木 2004-11-12 00:09:41
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