破壊前の街角で
砂木
たったったっ と少年が
往来を小走りに行く
戦争が はじまるかもしれない ので
外国人が 多い
声をかければ 靴を磨かせてくれる
稼ぎ時だ
記者だという男などは しきりと訊く
戦争が はじまるかもしれない 逃げないのか
生活するためには 稼がなければならないんです
今 けっこう お金になるんです
外国の人達 靴を磨かせてくれるんです
自分が働かなければ 暮らしていけない
イラクには 希望を持ってます
ありがとうございました お客さん
たったったっと 故郷に働く少年が走り去る
空爆の二日前だと 記事にはあった
記者が 泣いてる