アトリエ
たもつ

 
 
アトリエで
鳥と歌う
リスと笑う
鉛筆に泣く
 
 +
 
飽きてしまった
飛ぶことにも
理屈をつけることにも
襟を汚したまま
  
 +
 
空いているところに
特記事項を書く
立夏は過ぎた
駅の事務所で

 +

あくびをした
突然した
リボンをかけても良い?
えくぼの代わりに
 
 +
 
アメリカだったね
通りの向こう側
リンダ、手を振った
円で買った、リンダ
 
 +

雨はやがてあがり
都心ではひっそりと
立方体の箱に
エビが詰められている

 +

足に眠っている
ト音記号の抜け殻
リズムは逝く
液体となって

 +
 
アトリエなどなかった
鳥も
リスもいなかった
鉛筆がただ描き続けた
 
 


自由詩 アトリエ Copyright たもつ 2011-06-04 18:15:44
notebook Home
この文書は以下の文書グループに登録されています。
アクロスティック