共鳴
c
あなたの狂気に触れた時わたしは海の底へしずんでしまいたかった
あ、共鳴してる。
(そんな気がして)
熱くなるのに気づかれないうちに海の底へしずんでしまいたかった
(深海はつめたいわけではありません)
あなたの優しさのほうがよっぽどつめたいのです
真理を多用するなら、指導者になればいいのにと、こころのなかで思っても、口にはださなかった。
ついてくるものはきっとぱー。
ぱー。
ぱーーーーーーーーーー。
ここでお別れだと宣言するようなものだったので
(そういうことにしてた)
+
朝
熱々の牛乳をたっぷり用意して、ミルクティーをいれます
告白します
そうしてベランダで煙草を吸いながらミルクティーを飲むのがわたしの朝で、あなたなど、入れてあげる隙間なんて、ない
自転車をはしらせるサラリーマンとは違うのです
その時だけ、わたしは世界と平等になれる(気がして)
あ、共鳴してる
+
深海魚を迎え入れるために、買った水槽も、そんなもの、といって捨ててしまった。
たりないもの、わたしの情熱、
あなたの狂気とわたしの狂気は不一致だったのかも、
とやっと気付いたときには、水槽は粉々になってしまいました。
煙草をなぜ吸うのかと、ばかばかしいことを、平然と問う
あなたは空に沈んだことがないの?
わたしは空気と共鳴したいの
(自然に早く死へ近づきたい)
+
どこかからチェロの音がきこえてくる
部屋に散乱している、ガスの請求書と、マンガと、本と、薬物のない学生生活のために、
云々
ピアノに張り付いているモナリザは、早くして見せろとにやにや笑っている、
その下ではエッシャーが永遠と階段の上り下りを繰り返させて、
途方もない黒点を眺めて
鍵盤に触れるのである
あなたをあなたと認められない、触れられない
わたしはひとりで空に沈むことにした
(空想)
(回想)