いつかどこかで
番田
きっと 自分を失っては
生きていけないのかもしれない
遠い街並みを 私は 見ていた
流れる風の中で
いくつもの呼吸音を時の中に重ねながら
河原の上に続く 遠く細長い道を
私は いつまでも 目指して歩いた
きっと この ポストには
いつも 誰からの手紙の返事もない
赤いペンキで塗られたポストを私は見上げながら
一体 私は ここから どこまで行くのだろう
一体 私は ここから どこまで行くのだろうと思っていた
*
わからないけれど
私はぼんやりとそこまで歩いた
じっと風の来ない場所を目指して
私の知らない遠い街並みを目指して歩いた
屋根は近いようにも思えた
だけど 遠いようにも思えた
*
だけど それは 一体 何故なのだろう
情報は今日も私に与えられ続けた
私は いつも ベッドで 本当に眠かった
残された命も そして もう 残り少なかった