いつかどこかで
番田 


きっと 自分を失っては
生きていけないのかもしれない
遠い街並みを 私は 見ていた
流れる風の中で


いくつもの呼吸音を時の中に重ねながら
河原の上に続く 遠く細長い道を
私は いつまでも 目指して歩いた


きっと この ポストには
いつも 誰からの手紙の返事もない
赤いペンキで塗られたポストを私は見上げながら
一体 私は ここから どこまで行くのだろう
一体 私は ここから どこまで行くのだろうと思っていた



わからないけれど
私はぼんやりとそこまで歩いた


じっと風の来ない場所を目指して
私の知らない遠い街並みを目指して歩いた


屋根は近いようにも思えた
だけど 遠いようにも思えた




だけど それは 一体 何故なのだろう
情報は今日も私に与えられ続けた
私は いつも ベッドで 本当に眠かった
残された命も そして もう 残り少なかった




自由詩 いつかどこかで Copyright 番田  2011-05-29 02:19:22
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