湯船と湯気
kauzak

湯船で脱力している
浮力を感じながら沈んでいる

湯をすくう
そばから両手から零れ
落ちる

形など止めずに
自由に流れるモノを
掴むことなど出来やしなくて

それでもすくいたいと
二度三度

もっと自由なった湯気が
視界をぼかして

温かな湯船のなか
布団に包まっているように
幸せな気分になって

ほわほわ

眠くなる
眠ったら危ないのに
身を任せたくなる

掴もうとしていたモノ
なんてもう
どうでもよくなる


自由詩 湯船と湯気 Copyright kauzak 2011-05-28 00:00:32
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