日々恋々
シャドウ ウィックフェロー


とつぜん日常がなくなって
うろたえたままオロオロと
時間と生活を
やり過ごしてる


物質的な破綻は精神的な覚醒をもたらさないものかと
密かに夢見ながら

なんて格好つけて
実際のところは
ただダラダラと
目の前の今を塗りつぶしてるだけ


今なら言える
例えつまらない日常だったにせよ
どんなに刺激的な未来よりも
その単調さを愛せると

例えそれが君に拒否された
生きるに値しない生活だったとしても


好きなつまみで酒を飲んで
ちょっと酔って世の中のばからしさを愚痴ったり

人より動物の方が救済に値すると嘆いたり

いつか孫でもあやしながら
同じような話しをしてるんだろうなって
あたりまえの様に思ってた

まだ君が一歳にもならない頃
ハイハイしながら舐めてた鍵で口の中を切ったとき
滲み出る血を見ながら
二度とこんな目には合わせないと
誓ったあの日から




自由詩 日々恋々 Copyright シャドウ ウィックフェロー 2011-05-24 01:42:00
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