恋路
subaru★

海岸線を見下ろす道標
明日に伸びるシルエット
月光が恋路を浮かび出す

浜辺の貝殻に未来を尋ねたら
静かな微笑みが聞こえ
入江の人魚に将来を尋ねたら
大切な涙を分け与えてくれた

波頭が恋心を運ぶ
     束の間 奪い去る
           弄ぶ

潮風がゴールへと誘う
    一瞬の凪が割り込む
           弄ぶ

真砂に埋もれた恋を掻きだしては探す
眠れないカモメたちが私を誘惑する
ラッチを外せない子羊たちが私をさと
明日の駆け引きを海の泡と掻き混ぜる

果てしないみちの彼方に
ヒントを与えるカモメたち
羽ばたく姿は手招きのポーズか
羽を広げるのは求愛のポーズか

見えないゴールテープに
転調の激しい 海の調べ
魚の尾ひれはサヨナラの合図か
灯台の灯りは忘れてのサインか

手懐けられるのは自分の迷い
迷いを溶かす泡の海
今夜もツキのある海岸を歩いています


自由詩 恋路 Copyright subaru★ 2011-05-21 02:10:29
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