国道14号線経由・自宅行
subaru★
一度も経験したことがないのに、すでにどこかで経験したことがあるように感じること。テレビ・ラジオの放送や映画などに、通常の視覚・聴覚では捉(とら)えられない速度・音量によるメッセージを隠し、それを繰り返し流すことにより、視聴者の潜在意識に働きかけること。シンクロニシティ。虫の知らせのような、意味のある偶然の一致。地下鉄の駅は眠りについてしまった
私の寝床は遙か東
渋い蜜柑色のタクシーを捕まえ
座席に深く腰掛け ドライバーに行き先を告げた
タクシードライバーは無口
我武者羅にハンドルを握り
曇りないフロントガラス1点だけを見つめてる
車内の静寂を過剰に支配してる様は
映画館で楽しみのポップコーンもジュースも
唾を飲むことさえも許されないくらい静かだ
車窓からの灯りは数ヶ月前のシーンと違って
とても柔らかな感じだ
キツイ灯りの中で暮らしていたのが まるで嘘のよう
行き交う人もまばらで ホントまばらで祭りのあとのよう
この国道14号を大名行列で帰った
あの出来事が無かったかのように静けさを感じた
擦れ違う景色が映画の1コマ1コマ
タクシーメーターがフィルムのように
カタカタと全力で耳を駆け抜ける
そしてクッキリと見たこともない他人が
瞬間的に頭によぎる Dejavu?*1
あの一瞬の1コマがサブリミナルで*2
肉眼では捉えることの出来ない他人の人生が
私の中へと無意識に入り込んでるのかもしれない
だとしたら 私は誰かの中に
無意識に入り込んでる synchronicity?*3
23分間の乗車時間が終わり
私は家の扉をくぐり解放区に入った
冷蔵庫の扉を開けたら
二日目のカレーライスが私を待っていた
*1 一度も経験したことがないのに、すでにどこかで経験したことがあるように感じること。
*2 テレビ・ラジオの放送や映画などに、通常の視覚・聴覚では捉(とら)えられない速度・音量によるメッセージを隠し、それを繰り返し流すことにより、視聴者の潜在意識に働きかけること。
*3 シンクロニシティ。虫の知らせのような、意味のある偶然の一致。